2015/02/16

SPOX.comのロンバルドコーチインタビュー

シャルケアシスタントコーチ アティリオ・ロンバルド

「『良い』だけではまだ足りない」
http://www.spox.com/de/sport/fussball/bundesliga/1502/Artikel/atillio-lombardo-interview-schalke-weg-von-mancini-arbeit-mit-di-matteo.html


イタリアサッカーでさまざまな顔を持つ男の一人、アティリオ・ロンバルド。49歳の彼は今季からFCシャルケ04でロベルト・ディ・マッテオのアシスタントコーチを務めている。チャンピオンズリーグタイトル保持者、レアル・マドリードとの決戦(水曜20:45、テキスト速報)を前に、ロベルト・マンチーニのもとを離れた理由、そしてシャルケにおける最大の問題点を明かした。

写真キャプション:アティリオ・ロンバルドはユベントスでチャンピオンズリーグ優勝、ラツィオとサンプでカップ戦優勝を果たしている

SPOX:アティリオ・ロンバルドさん、ドーハでの冬のトレーニングキャンプでは急遽プレーヤーとして紅白戦のピッチに立ちました。センセーショナルな復帰劇がもうすぐ見られるのでしょうか

アティリオ・ロンバルド:(笑)もう年だし、地力も落ちているのでついていけないですよ。けが人が多い状況だったので、君も入れないかとロベルト・ディ・マッテオが聞いてきたんです。もちろんそこでノーとは言いません。

プロフィール
  • 1月6日、サンタ・マリーア・ラ・フォッサ生まれ
  • ニックネーム:ポパイ
  • プロ選手としては主に右ウィング
  • サンプドリア、ユベントス、ラツィオなどでプレー
  • イタリア代表として7年間プレー
  • クリスタル・パレス、サンプドリア、マンチェスター・シティなどのイタリア、イングランドのクラブやガラタサライなどさまざまなクラブで指導者キャリアを積む
  • マンシティとガラタサライではアシスタントコーチやスカウティングに従事

SPOX:プレーヤーとしてもアシスタントコーチとしてもそうなんですが、練習を見ているとあなたは常に積極的に動き続けています。すごくアクティブですよね。一方ディ・マッテオはちょっと距離をとっていることもある。監督とコーチの役割は明確に決まっているのですか

ロンバルド:アクティブでいる必要があるのはみんな同じ。このチームを改善する使命があるんですから。プレーの面でもメンタリティの面でもそうです。ただ「良い」だけではドイツではだめ。仕事をちゃんとやっているだけではまだまだです。我々が到達すべきレベルは高い。全員がとても献身的なのはそのためです。

SPOX:シーズン途中での就任、それからまもなく3日周期で試合のある日々が始まり、チームに哲学を浸透させる時間も少なかった。トレーニングキャンプは特に重要だったのでは

ロンバルド:もちろんです。チームのさらなる成長が最重要事項。その意味では、アヤックスやアル・メリックとのテストマッチも大きかった。毎回の練習、毎回の試合が役に立っています。

SPOX:マンチェスター・シティそしてガラタサライでもロベルト・マンチーニと一緒に何年もやってきました。当時の主な任務は対戦相手の情報収集でしたが、シャルケでもそれは業務に含まれているのですか

ロンバルド:いえ、役割は変わりました。ここでは毎日グラウンドに立って監督の相談に乗るという、典型的なアシスタントコーチをしています。私にとってはこの変化がポイントでした。以前のようにもっとグラウンドに立つことが夢で。だからロベルト・ディ・マッテオから打診があったときにその挑戦を受けることにしたんです。

SPOX:チームにより近付けるからというのが、マンチーニのもとを去ってディ・マッテオとやることにした一番の理由であると

ロンバルド:はい。正直、ロベルト・マンチーニから離れるのは簡単ではありませんでした。マンチーニはヨーロッパで4、5本の指に入る監督で、一緒に働けるのは特別なこと。それでも私は新しい経験がしたかった。チェルシー退任後に新たな任務に取り組もうと考えていたロベルト・ディ・マッテオもそうです。その彼が「一緒に来て補佐をする気はないか」と聞いてきた。渡りに船でした。

SPOX:マンチーニとディ・マッテオはかなり違いますか

ロンバルド:マンチーニは戦術的なことに非常に重きを置いています。練習では選手を10人だけにして見ることが多い。ディ・マッテオは全グループ合同でやる。でもメンタリティに関しては違いはあまりないですね。

SPOX:その二人はイタリアサッカーを象徴していると

ロンバルド:マンチーニに関して言うなら、イエス。ロベルト・ディ・マッテオはイタリア、イングランド、スイス、ドイツの哲学を統合しています。

SPOX:ドイツに来て2、3ヶ月がたちました。これまでに「典型的なドイツ」だと感じたことは何ですか

ロンバルド:勝ちに行くプレーをするというメンタリティには、我々もすぐ気付きました。相手が来るのを待つことはないし、信条であるかのように後ろで引きこもるということもなく、攻撃の一手を探る。これはいいことだし、ドイツのサッカーファンが見たいと思うものでもあります。ファンたちはゴールが欲しいし、自分のチームが攻めるところを見たい。我々は一度ここで引きこもって、チェルシー相手に5ゴール浴びてしまいました。最初にして最後ではありますが。

SPOX:ミュンヘンでのバイエルン戦は例外ですね、シャルケが数的優位の状況で70分間プレーした……

ロンバルド:そりゃバイエルンですから。数的不利でも極めて危険で、一人欠けても違いがないと言えるほど高いレベルでプレーするので。

SPOX:新しい監督チームを迎えてからのシャルケには――その例外を除いては――上向きな変化が出てきています。理想としてはFCシャルケ04にどうなってほしいと考えていますか

ロンバルド:我々はここで何かを変えたいです。シャルケは監督交代を決断し、ロベルト・ディ・マッテオと契約することで哲学を変えることをも決断しました。我々の哲学とは、毎回の練習で一生懸命にやること。技術、戦術、そしてフィジカルの面で仕事に取り組んでいきたいです。

SPOX:その弱点には練習を行う中ですぐに気付きましたか

ロンバルド:就任前のシャルケは見ていないのですが、チームは何よりけが人の多さに苦しめられていました。ドーハではラルフ・フェアマンとデニス・アオゴ。ユリアン・ドラクスラー、レオン・ゴレツカ、ジェファーソン・ファルファンの離脱はそれよりも前からという。彼ら負傷者が戻ってくれば良くなるはずです。

SPOX:チームの柱がこう多く抜けていると、監督陣にとっても戦略の導入は簡単ではないのでは

ロンバルド:ええ、もちろん。後半戦の幕開けにはハノーファー、バイエルン、グラートバッハの3試合が1週間内に控えていたのに、ウィンターブレイクでは選手がちょうど11人なんてこともあったんですよ。10月に現体制がスタートしたときも手持ちの駒はひとかたまりだけという状態で、年末までそれでブンデスリーガもチャンピオンズリーグも戦い抜くことになって。これは選手にとっても我々にとっても簡単ではありませんでした。

SPOX:補強にも着手し、マティヤ・ナスタシッチを獲得しました。3バックでプレーできるからというのが主な理由でしょうか

ロンバルド:ええ、そこは大きなポイントでした。3バックはこれからも続けたい。このシステムのほうが合っているし、チームをより良く成長させることができると我々は考えているからです。チームの特色がより出せるのです。

SPOX:そのシステムを成熟させるには新戦力は1人で足りるのですか

ロンバルド:故障中の選手たちを待たねばなりません。ドラクスラーにファルファン、コラシナックにマティプ、そしてゴレツカと。彼らが2月に戻るなら、新たな選手は必要ありません。

SPOX:ナスタシッチの話に戻ります。彼のことはマンチェスター・シティ時代に一緒だったのでご存知ですよね。ここではどのような戦力になりそうですか

ロンバルド:強い選手なんですが、マンシティではマンガラ、コンパニー、デミチェリスと、ライバルが非常に多かった。まだ若いけれども、イタリアとイングランドでいくらか経験を積めています。たくましい選手で、ここでいい仕事ができるはずです。

SPOX:買い取りオプションを行使するなら、ナスタシッチにはドイツ語を勉強する必要も出てきます。ロンバルドさんたちは以前からドイツ語のレッスンを受けていたそうですね

ロンバルド:いやあ、ドイツ語は難しい言語ですよ、少なくともトルコ語と同じくらいには。それでも勉強しないと。選手たちを伸ばしたいなら、コミュニケーションを取る必要がありますから。

SPOX:ドイツでの生活は気に入っていますか

ロンバルド:ええ、とても。イングランドと似ている部分がたくさんあって。スタジアムからほんの3分のところに住んでいるので、サッカーの街の空気を満喫しています。トルコでもそうでした。人々がサッカーに生きている様子といったら、あちらもすごかったですよ。

SPOX:トルコの道路交通を懐かしく思うことは (※訳者注: "イスタンブール 車 運転" などで検索を)

ロンバルド:(笑)いやいや、ないですね。

インタビュー:Fatih Demireli



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