2015/07/08

WAZのブライテンライター監督インタビュー

ブライテンライター
シャルケのスターたちに明確な方針を示すブライテンライター
http://www.derwesten.de/sport/fussball/s04/schalke-trainer-breitenreiter-will-draxler-vor-erwartungsdruck-schuetzen-id10861482.html



写真キャプション:「ピッチ上には明確な方針がある。それに沿わない者は大変」とシャルケのアンドレ・ブライテンライター監督。

フェルデン。 シャルケの監督アンドレ・ブライテンライターと、フェルデンでのトレーニングキャンプ、プレーシステム、クラウディオ・ピサーロについて話をした。

アンドレ・ブライテンライターはファルケンシュタイナー・シュロスホテル庭園内のベンチに座っていた。水曜日の晩には、アウストリア・クラーゲンフルトとのテストマッチで初めてサッカーブンデスリーガ1部・シャルケ04のベンチに座る。

ブライテンライターさん、昨シーズンのシャルケは成果なき戦術の虫でしたが、あなたが未来に思い描くプレッシング・マシーンへと変身させるにはどうすればいいのでしょうか

ブライテンライター:その概念は私が作り出したものではないけれど、プレッシングとゲーゲンプレッシングが、我々の構想において中心的な役割を担っているのは事実です。ゴールの50%は、相手ゴール前3分の1のエリア内でのボール奪取から生まれている。これはデータで証明されています。だから我々もボールを多く奪えるようにしたくて――練習で重点を置いているのもそこです。相手にプレスをかけ、不正確なボールを蹴らせる。その適切なタイミングはいつなのか、状況を感覚でつかめなくてはいけません。そしてそうやって生まれた混乱を10秒以内に利用する。バルセロナはそれを見事にやってのけるわけです。

シャルケの攻撃の「すさまじい能力」を信じるブライテンライター

チームのプレースタイルはそんなに簡単に変えられるものですか

ブライテンライター:どうメンバーが編成されているのかということは、プレーの方向性には当然大きく影響します。しかし、攻撃面においてすさまじい能力を持つ選手たちはシャルケにいる、私はそう確信しています。彼らが短いルートでもゴールを奪えるようにすることだって必要です。それはただ前へ攻撃したいという意味ではないのですが、守備の位置が高いほどゴールまでのルートは短くなるもの。自分たちがボールを失ったらすぐに向かって行くことも、選手たちには体に覚え込ませてほしいと思っています。私が去年パーダーボルンで経験したのは、シャルケの選手をかわすのは比較的簡単だったということでして――シャルケにはあれだけ力があるというのに、です。

昨シーズンは走りに関する数値が低かったシャルケですが、このようなチームに運動量の求められるプレーは可能でしょうか

ブライテンライター:もちろん。なぜそのようなデータが出たのか、よく考えてみることも必要です。基本方針、それにケガの影響もあるでしょう。ここでは非常にハードなトレーニングをたっぷりやっています。3部練習もありますし、そのためには早起きだってしなければいけません。やりたいことに必要なスタミナをそうやってつけていくのです。でも大事なのはもちろんプレスだけじゃありませんよ、絶え間なくやっていたら30分でノックアウトされてしまいますから。そこは臨機応変に。

それ以外に、シャルケでのあなたのサッカーはどういうものになりますか

ブライテンライター:自分たちがどう攻めていくのかという手段を、ボールキープ中に明確にしておくこと、これももちろん重要です。偶然任せではなく、何が起こるのか選手たちにはわかっていてほしい。それが自信につながります。能力自体はそれほど高くなかったSCパーダーボルンも、そうすることでリーグ最多のゴールチャンスを生み出せたのです。

シャルケのドラクスラーを期待の重圧から守りたいというブライテンライター

シャルケの方が能力は上ですが…

ブライテンライター:その通りです。前のクラブでうまく機能したことを、今度はシャルケのようなチームで実行に移すというのは、すごくわくわくしますね。選手たちに言ったことがありましてね――能力があってこそ試合に勝てる。だが、能力があってコンディションが整っていれば、もっと試合に勝てる。能力とフィットネスのほかに、さらにプランがあるとしたら。誰が我々全員を打ち負かせるだろうか。難しいだろうと。

ユリアン・ドラクスラーという、速くゴールに向かえる選手をあなたは手にしていることになります。しかし、ケガの影響もあり、この2年間はその実力をほとんど発揮できませんでした。あなたが彼に期待することとは

ブライテンライター:彼に対する期待の重圧は、極めて大きいと感じます。そこは私がどうにか守ってやりたい。開幕前の準備に今年は全部参加できるというのは、ユリアンにとっていいことです。去年はワールドカップがありましたから。特別なレベルの選手でいたい、世界の頂点に行きたいと本人は当然思っているでしょうが、私が彼に期待しているのは、そのステップのためにハードワークをすること、才能だけには頼らないこと。彼はこの1週間しっかり実行していますよ。

FCアーセナルはこの夏もオファーを用意するのではないかという噂が絶えずささやかれていますが…

ブライテンライター:私はユリアン・ドラクスラーを100%構想に入れています。開幕前の準備をしっかり行い、我々みんなから必要なサポートを受ければ、彼のシーズンはすばらしいものになると私は信じています。

ジョエル・マティプも、ニューカッスルとの関係が繰り返し取り沙汰されています。絶対に引き止めたいですか

ブライテンライター:ええ、もちろん。2、3週間先のことなんて誰にもわからないとはいえ、ジョエルは大事なセンターバック。サッカーで成果を出したいならチームに定数が必要で、ジョエルはそのうちの1人です。



攻撃陣の補強を望むシャルケ監督のブライテンライター
http://www.derwesten.de/sport/fussball/s04/schalke-trainer-breitenreiter-wuenscht-sich-eine-verstaerkung-im-angriff-page2-id10861482.html


あと1人フォワードを探しているとのことですが。クラウディオ・ピサーロのようなベテランは戦力になり得るでしょうか

ブライテンライター:前線をともかく補強したいのは事実です。でも名前は何も出したくありません。

前任者のロベルト・ディ=マッテオには、常にどこか近寄りがたい印象がありましたが、あなたはこれまで選手たちにうまく受け入れられています。「手で触れることのできる(=身近な存在)」タイプの監督だと言えますか

ブライテンライター:比較はしたくありません。私にとって大事なのは、チームと密接な関係を築くことですが、力を出して頑張っていないと、お互い思う存分楽しむこともできないというのも、選手たちはわかっています。それでこそ、肩を抱き合い、冗談も言い合えるというものです。私が期待するものは多いが、与えることができるものも多い。ピッチ上には明確な方針があります。それに沿わない者にとっては大変ですが、チームからそういう印象は全く受けません。選手たちの自己モチベーションは高く、休暇中もしっかりトレーニングしていたことがうかがえます。これからの我々の仕事は非常にハードなものになるということも頭にあったのでしょうね。昨シーズンに対する不満というのは、選手たちにとっても非常に大きいので。

ファンのためのサッカーをしたいとブライテンライター

あなたの来季のプランを聞くと、ライバルもうかうかしていられないと思わせられますが…

ブライテンライター:去年それぞれの場面でどんな能力が引き出せたのかは把握しています。その能力だともっと試合に勝っていてしかるべきなのは言うまでもありませんが、我々は腰を据えてやっていきます。まずはファンが共鳴でき、FCシャルケ04に合ったサッカーを取り戻すこと。気持ちや情熱が問われる部分でもありますが、それだけでは足りません。明確な戦術的ゲームプランとフィットネスというのは、それを実際に生かすために必要なのです。

ペップ・グアルディオラは先日、シャルケをバイエルンの危険な存在になりうるチームの一つに挙げていました。彼の気は確かなのでしょうか

ブライテンライター:我々にここでどう言えと?大事なのは、しかるべき時に良いコンディションでいること、ぶれずにやること、考えを実行に移すこと。その結果がどうなるかは、最後にわかることです。


Manfred Hendriock


※このブログでのみ公開するという条件で翻訳・掲載の許可を頂いているので転載はしないで下さい