2015/03/09

Sportsnaviの記事比較

スポーツナビ掲載記事「称賛される内田篤人の変わらぬ仕事ぶり 苦境のシャルケで必要なクラブ精神の発揮」を執筆したダビド・ニーンハウスさんが、ご自身のサイトDas SportWortでドイツ語の記事をアップしました。読み比べてみると、完全な誤訳と思われる箇所を含め異なる文脈が多数存在するので、列記してみました。

スポーツナビの記事中の、ここに挙げている日本語記事に対応する箇所をそのままドイツ語記事の訳に置換すれば、ニーンハウスさんのサイトの記事とほぼ同じ文脈になります。

もちろんニーンハウスさんのサイトに掲載されている文章は新たに編集済みでスポーツナビの日本語記事の原文と同一ではない可能性もあります。また、スポーツナビの日本語記事にニーンハウスさんのサイトでは書かれていない箇所があり、スポーツナビの日本語記事もまた文章のバランスを考えて編集されているのではないかと思います。



DasSportWort goes Japan: Uchidas neue Aufgaben auf Schalke
http://david-nienhaus.de/?p=4729



称賛される内田篤人の変わらぬ仕事ぶり
苦境のシャルケで必要なクラブ精神の発揮

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/soccer/eusoccer/1415/columndtl/201503070001-spnavi
 (1ページ目)


【日本語記事】内田篤人は低く構えて、ボールの後ろから目をこらす。最後まで似たような姿勢のままで、試合終了の笛を聞いた。
【ドイツ語記事】内田篤人はピッチに倒れたままボールを目で追った。その球が揺らしたゴールネットは、南ゴール裏から沸く熱狂的な歓声に小躍りしているように見えた。


【日本語記事】シャルケの日本人選手は、世界最優秀選手に対して何もできなかった。
【ドイツ語記事】そこでシャルケの日本人選手が相対したのは、他でもない世界最優秀選手だった。


【日本語記事】「一度ならず、左サイドのアオゴ以上に効果的なプレーを見せてはいた」
【ドイツ語記事】その巨大任務を手堅くこなした。「左サイドのアオゴ以上に相手を効果的に抑えていることがほとんどだった。――ただ一度だけうまくいかなかった」


【日本語記事】しかし試合ではレアル・マドリーが2−0で勝利しており、その得点者の一人はC・ロナウドだった。
【ドイツ語記事】その(ただ一度だけうまくいかなかった)シーンで2点目をお膳立てしたのは、C・ロナウドだった。


【日本語記事】「現状で、内田が負う責任は少しずつ大きくなり続けている」
【ドイツ語記事】「現在、内田が負う責任は少し大きくなっている」


【日本語記事】ダービーでも、その仕事ぶりは変わらなかった。~中略~それでも内田は自分の仕事を放棄するようなことはなかった。
【ドイツ語記事】記載なし


【日本語記事】ロイスは自分の働き場を、シャルケの3バックの隙間に求めることが多かった。
【ドイツ語記事】記載なし


【日本語記事】「ウッシー(内田)は常に、守備面のタスクに集中することを求められた」
【ドイツ語記事】「危ういときは、ウッシー(内田)は常に守備面のタスクに集中するつもりでいる」
※ダービーに限らずいつもその意識でいるという意味



称賛される内田篤人の変わらぬ仕事ぶり
苦境のシャルケで必要なクラブ精神の発揮

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/soccer/eusoccer/1415/columndtl/201503070001-spnavi?page=2
 (2ページ目)


【日本語記事】ファンとクラブの一体感がそこにはあった。
【ドイツ語記事】記載なし


【日本語記事】チームの中でも常に、内田は自分の役割をしっかり認識している。
【ドイツ語記事】チームの中でも内田はずっと前から自分の役割を認識している。笑いを取って楽しませるという役割を。


【日本語記事】チームで一番の親友であるユリアン・ドラクスラーは、内田に短い愛のメッセージを送っている。
【ドイツ語記事】チームで一番の親友であるユリアン・ドラクスラーに、内田は短い愛のメッセージを送っている。


【日本語記事】すると内田は紙の切れ端にこう記した。
【ドイツ語記事】内田は紙の切れ端に記した。


【日本語記事】そんな妙味を心得た役割分担を、内田はピッチの上でも引き受けている。
【ドイツ語記事】記載なし


【日本語記事】「試合の中ではとてもおとなしく、ブンデスリーガや国際レベルという“サメ入りのオリ”の中で、1対1の弱さも露呈されていた。
【ドイツ語記事】「プレースタイルはとてもおとなしく、ブンデスリーガや国際レベルという“サメ入りのオリ”の中で、サイドバックとしては若干1対1の弱さも露呈されていた。


【日本語記事】今では、フェリックス・マガト監督の時代から残る選手たちの中でも、一番の“遺産”だと考えられている。
【ドイツ語記事】今では、フェリックス・マガト監督の時代から残る選手たちの中でも、最高の“遺産”の一人であると考えられている。


【日本語記事】今季当初は振るわなかったのも、ワールドカップの疲れもあり、プレー時間を得られないことだけが問題だった。ラフィーニャの後継者として、ゲルゼンキルヒェンで議論の余地ない先発選手の地位を確立している」
【ドイツ語記事】当初は “ライバルがいないために出場機会を得られている、非常時のまにあわせにすぎない” と見られていたが、ラフィーニャの後継者として、ゲルゼンキルヒェンで議論の余地ない先発選手の地位を確立した」
※“シャルケ入団当初”は実力に懐疑的な目を向けられていたという話。


【日本語記事】相手だけではなく、チームメートも尊重しすぎてしまうことがある。
【ドイツ語記事】さらに無理に粗探しをするならば、トップスターと相対したときにリスペクトしすぎてしまうことがあるようにみえるというところだろう。


【日本語記事】記載なし(内田はダービーでの敗戦が、の前部分)
【ドイツ語記事】どんな美辞麗句を並べても、苦いあの瞬間は変わらない。内田はピッチに倒れたまま、できればこのまま消え入りたかった。試合終了後のシャルケのロッカールームはしんと静まり返っていた。


【日本語記事】単なる失敗ではなく、“完璧なる失敗”が、何人の選手から見られた。
【ドイツ語記事】チームとしてうまく機能せず、選手の何人かは“完全なる役立たず”だったという。


【日本語記事】選手たちは落ち込んではいなかったし、クラブの精神を口にした。
【ドイツ語記事】クラブの精神を内面化できていない選手も何人かいただろう。


【日本語記事】内田にはすでに、驚異的なスタミナと戦術的規律が備わっている。長い時間かけて培ってきたその力を、正しい方法で発現させればいい。
【ドイツ語記事】内田はレデマンの言うところの驚異的なスタミナと戦術的規律で、長年にわたって炭坑労働者タイプへと成長してきた。


【日本語記事】ダービーでの2失点目で、ヘンリク・ムヒタリアンを長く走って追いかけながら捕まえきれなかったことも、次への糧とすればいい。
【ドイツ語記事】ダービーでの2失点目で、ヘンリク・ムヒタリアンを見失ったことは否定できない。


【日本語記事】それでも内田は、その苦難に正面から立ち向かっていくに違いない。いつものように、飄々(ひょうひょう)と。
【ドイツ語記事】記載なし