2014/04/28

SV Horst-Emscher 08公式サイトのBildung & Integrations Cup記事

内田がHorst 08に
http://www.horst08.de//fussballjugend-artikel-1072.html


先に言ってしまおう、大成功だったと!社団法人Bildung ist Zukunft協会(旧社団法人Promis helfen)の提携パートナーとして、社団法人SV Horst-Emscher 08は2014年4月26日の土曜日にF・Gユース杯 "Bildung und Integration" を初めて開催することができた。子どもたちや監督、スタッフ、それに保護者の方々全員が、なじみあるこの施設でぜひ2回目を開催すべきという意見で一致した。今回のイベントにおける特別なハイライトは、Bildung-ist-Zukunft協会大使のシャルケ選手、内田篤人の訪問だった。

内田選手にとってこれは義務的な仕事ではない――それはすぐにわかった。大使としての任務をとても真摯に引き受けており、辛抱強く、このようなプロサッカー選手は他にいないのではというほどだった。練習を終えて直接このイベントに来た彼は、辛抱強くサインと写真撮影のリクエストに全て応え、その後もチーム集合写真の撮影と小さなサッカー選手たちの個人的な質問に応じるためにピッチに立った。

ここでの最大の幸運は、スポーツ紙Reviersportで内田選手のHorst 08訪問を知った日本のテレビ放送局が、急遽訪ねてきたことだった。わざわざやって来たこの編集者が素晴らしい通訳者になってくれたため、回答がないまま終わった質問は一つもなかったのだ。本来なら訪問は1時間の予定だった――しかしこれほど多くのファンがいては、シャルケのプロ選手もそう簡単に出て行くわけにはいかず、また出て行く気にもならなかった。結局3時間も残り、彼女との約束までキャンセルした(※訳者注:ドイツ人がこの記事を読んだ場合の一般的な解釈としてここは「彼女」と訳しましたが、実際に内田選手がどう言いどう伝わったのかはわからないので、人数・性別・関係の真偽は不問でお願いします)。クラブ会員マガジンSchalker KreiselとReviersport紙の取材の前に、内田選手はCichos提供のソーセージでエネルギーを補給した。気持ちもお腹も満たされれば、もうひと頑張りできるというもの。いつも寿司である必要はないのだ。ユース部門による総括はこうなった――素敵な人間でありサッカー選手である彼の存在をうれしく思っているのは、シャルケ04だけではないはず。Bildung-ist-Zukunft協会も、積極的に参加してくれる強力なパートナーを得たのだから――。大変辛抱強くやってくれた内田篤人選手、ソーセージなどのとてもおいしい肉製品を提供してくれたCichosさん、大会参加者の皆さんにここでお礼を申し上げたい。せっせと動いてくれた大勢の大会スタッフ、そしてBildung ist Zukunft協会発起人ミヒャエル・フランクとジャクリーン・ケーンにも感謝を。お二人によると、次回の大会にも非常に人気のあるシャルケ選手が来場し支援してくれるのではないかとのこと。今から楽しみだ!


Britt Spielhoff



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RevierSport #35/2014掲載のBildung & Integrations Cup記事

ORTSTERMIN
「ウシー」がホーストに
寿司より焼きソーセージ、そして張り切る父親たち

写真キャプション:内田篤人とSV Horst 08のFユース。 写真:Buschmann

ゲルゼンキルヒェン=ホーストで開催されたBildungs- und Integrations Cup。Fユースの試合が始まるのは本来なら14時のはずだった。しかし、SV Horst-Emscher 08の施設 "Auf dem Schollbruch" に内田篤人が入ってくると、もう子どもたちを止めることはできなかった。アレーナのゴール裏での人気ぶりと同様に、この日本人は地域のサッカー少年たちからも好かれているのだ。

たいていのシャルケの選手にとっては、このような土曜日の午後早々のイベントというのはただの仕事なのだろうが、「ウシー」の場合は異なる。丁寧かつ根気良く何百ものサインを書き、写真撮影に応じ、それからまた人工芝のピッチの脇で各チームと記念撮影。「好きでやっているし、こういうことでファンに何かお返しができるから」と内田はいつものように謙虚に言うのだった。

写真キャプション:これでシュートも決まるぞ――「ウシー」のサインをスパイクに。 写真:Buschmann

社団法人Bildung ist Zukunft協会がこの大会を主催しており、すでに朝の9時からGユースの子どもたちがボールを蹴っていた。支援を行っているサッカー・スターは内田だけではない。ハンブルガーSVのトルガイ・アルスランも、社会的に不利な境遇で育った若者たちに様々な教育サービスの利用を可能にするべく尽力している。「趣旨がすばらしいと思ったので、喜んで参加させてもらいました」と内田。ニヤリと笑って「このサッカーの大会を見ていると、日本での少年時代を思い出しますね。そこでも一番張り切っていたのは父親たちでした」。

今の内田にはサッカーとは別の社会的テーマにも取り組む時間がある。ひどい筋肉のけがでFCシャルケを離脱して2か月半。Heßler 06やErle 08、Sportfreunden Stuckenbuschの子どもたちからも、プレーできるのはいつになるかと質問が飛んだ。「できるだけ早くプレーできるようになればいいんだけど」と「ウシー」は言い、「シーズン終了まであと2試合しかないから。かなりギリギリになるね」。

ブラジルW杯日本代表メンバー発表前にイタリア人監督のアルベルト・ザッケローニにもう一度アピールするには、早くコンディションを取り戻さなければならない。「もちろんW杯にはぜひ参加したいです」とうなずく内田。「でもそれは監督が決めることなので」。

もっとも、このホーストの "Bildungs- und Integrations Cup" にいた子どもたちの思っている通りになれば、シャルケか母国代表かに関わらず「ウシー」は常に彼らしくいいプレーをするに違いない。

写真キャプション:(左から)Martin Wissing [Horst 08副会長]、Joe Spielhoff [Horst 08ユース部長]、内田、Christian Vieth [Horster Kurve(※訳者注:ホーストのシャルケファンクラブ連盟(SFCV)加盟ファンクラブ)会長] 写真:Buschmann

間近に迫る契約延長

あと1年しか残っていないこの右サイドバックの契約をシャルケができるだけ早く延長したがっているのも、これほどの人気があるからというだけではもちろんない。彼自身がサッカーの面でいいものを持っていることによる。「(契約延長に関して)話し合い中」だとスポーツディレクターのホルスト・ヘルトは明かしている。契約延長が行われると考えられる理由は少なくない。負傷前の内田は絶好調で、守備面の欠点に文句をつけていた多くの批評家たちを黙らせたからだ。「シャルケでとても気持ち良くやっているし、クラブも僕を評価してくれていると思う」と26歳の彼は言う。

すでに90分とアディショナルタイムが過ぎていたが、内田は急いでいなかった。ホーストでは空が青と白だっただけではなく、バーベキューグリルの屋台が出ていたりと食べ物も完璧だったのだから。「やった、焼きソーセージだ」と内田は言い、「寿司より断然いいね」。

"Horster Kurve" のシャルケサポーターたちと写真をもう1枚撮り、ようやく彼は黒のバギーパンツと青のスニーカー姿で自分の車までぶらぶら歩き、家路についた。

会場では再び試合が始まっていたが、内田がシャルケのために新たに右サイドバックを発掘することはなかった。「僕がいるんで」。



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