2014/04/28

RevierSport #35/2014掲載のBildung & Integrations Cup記事

ORTSTERMIN
「ウシー」がホーストに
寿司より焼きソーセージ、そして張り切る父親たち

写真キャプション:内田篤人とSV Horst 08のFユース。 写真:Buschmann

ゲルゼンキルヒェン=ホーストで開催されたBildungs- und Integrations Cup。Fユースの試合が始まるのは本来なら14時のはずだった。しかし、SV Horst-Emscher 08の施設 "Auf dem Schollbruch" に内田篤人が入ってくると、もう子どもたちを止めることはできなかった。アレーナのゴール裏での人気ぶりと同様に、この日本人は地域のサッカー少年たちからも好かれているのだ。

たいていのシャルケの選手にとっては、このような土曜日の午後早々のイベントというのはただの仕事なのだろうが、「ウシー」の場合は異なる。丁寧かつ根気良く何百ものサインを書き、写真撮影に応じ、それからまた人工芝のピッチの脇で各チームと記念撮影。「好きでやっているし、こういうことでファンに何かお返しができるから」と内田はいつものように謙虚に言うのだった。

写真キャプション:これでシュートも決まるぞ――「ウシー」のサインをスパイクに。 写真:Buschmann

社団法人Bildung ist Zukunft協会がこの大会を主催しており、すでに朝の9時からGユースの子どもたちがボールを蹴っていた。支援を行っているサッカー・スターは内田だけではない。ハンブルガーSVのトルガイ・アルスランも、社会的に不利な境遇で育った若者たちに様々な教育サービスの利用を可能にするべく尽力している。「趣旨がすばらしいと思ったので、喜んで参加させてもらいました」と内田。ニヤリと笑って「このサッカーの大会を見ていると、日本での少年時代を思い出しますね。そこでも一番張り切っていたのは父親たちでした」。

今の内田にはサッカーとは別の社会的テーマにも取り組む時間がある。ひどい筋肉のけがでFCシャルケを離脱して2か月半。Heßler 06やErle 08、Sportfreunden Stuckenbuschの子どもたちからも、プレーできるのはいつになるかと質問が飛んだ。「できるだけ早くプレーできるようになればいいんだけど」と「ウシー」は言い、「シーズン終了まであと2試合しかないから。かなりギリギリになるね」。

ブラジルW杯日本代表メンバー発表前にイタリア人監督のアルベルト・ザッケローニにもう一度アピールするには、早くコンディションを取り戻さなければならない。「もちろんW杯にはぜひ参加したいです」とうなずく内田。「でもそれは監督が決めることなので」。

もっとも、このホーストの "Bildungs- und Integrations Cup" にいた子どもたちの思っている通りになれば、シャルケか母国代表かに関わらず「ウシー」は常に彼らしくいいプレーをするに違いない。

写真キャプション:(左から)Martin Wissing [Horst 08副会長]、Joe Spielhoff [Horst 08ユース部長]、内田、Christian Vieth [Horster Kurve(※訳者注:ホーストのシャルケファンクラブ連盟(SFCV)加盟ファンクラブ)会長] 写真:Buschmann

間近に迫る契約延長

あと1年しか残っていないこの右サイドバックの契約をシャルケができるだけ早く延長したがっているのも、これほどの人気があるからというだけではもちろんない。彼自身がサッカーの面でいいものを持っていることによる。「(契約延長に関して)話し合い中」だとスポーツディレクターのホルスト・ヘルトは明かしている。契約延長が行われると考えられる理由は少なくない。負傷前の内田は絶好調で、守備面の欠点に文句をつけていた多くの批評家たちを黙らせたからだ。「シャルケでとても気持ち良くやっているし、クラブも僕を評価してくれていると思う」と26歳の彼は言う。

すでに90分とアディショナルタイムが過ぎていたが、内田は急いでいなかった。ホーストでは空が青と白だっただけではなく、バーベキューグリルの屋台が出ていたりと食べ物も完璧だったのだから。「やった、焼きソーセージだ」と内田は言い、「寿司より断然いいね」。

"Horster Kurve" のシャルケサポーターたちと写真をもう1枚撮り、ようやく彼は黒のバギーパンツと青のスニーカー姿で自分の車までぶらぶら歩き、家路についた。

会場では再び試合が始まっていたが、内田がシャルケのために新たに右サイドバックを発掘することはなかった。「僕がいるんで」。



※このブログでのみ公開するという条件で翻訳・掲載の許可を頂いているので転載はしないで下さい



0 件のコメント:

コメントを投稿