2016/04/13

WAZの内田篤人の記事

内田
長期負傷の内田篤人を案ずるシャルケ
http://www.derwesten.de/sport/fussball/s04/schalke-sorgt-sich-um-langzeitverletzten-atsuto-uchida-id11732258.html


写真キャプション:復帰に向けて現在は日本で取り組みを続ける内田篤人

ゲルゼンキルヒェン。内田篤人がシャルケの試合に出場できなくなってもう1年以上になる。手術では望みどおりの成果を得られなかった。

内田篤人が最後に試合に出場したのは1年以上前のことだ。2015年3月10日、チャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦終了間際、彼は“王者の青”によるマドリードの奇蹟を起こそうとチームメイトと奮闘していた。シャルケは4-3でレアルに勝ったものの、チャンピオンズリーグから姿を消した。それ以来、内田篤人は一度も試合のピッチに戻って来ておらず、観客の人気者である日本人の彼が以前のようにボールを蹴ることができるようになるのはいつなのかという疑念が生まれている。シャルケは小さな“ウシー”に大きな懸念を抱いている。

28歳の彼は現在、再び故郷の日本にいる。信頼する医師に診てもらっているのだ。2015年の春に右膝の膝蓋腱を手術した執刀医である。内田はそこで復帰に向けて必死に取り組んでいる。経過予想はこうだ――プレーができるようになれば、そこでまたシャルケに戻る。その日本の医師は夏のシーズン開幕準備に照準を合わせたのだが、ここは注意が必要だ。彼は1年前の手術後に内田のコンディションは2015年10月に回復しているとの見通しを立てていた医師と同じ人なのだ。ちなみにその見通しは外れている。「だからこそ」とシャルケの監督、アンドレ・ブライテンライターは憂慮して言う。「いつ彼が再びプレーできるようになるのか、我々には大きな疑念がある」。

手術回避を勧めた医師たち

実際のところ、このディフェンダーの苦難の歴史は2年以上前から続いており、その中にはシャルケでこうだろうと考えられていたとおりにはいかなかった部分もある。2014年2月に厄介な筋損傷に見舞われ、日本で治療を受けたのが始まりだ。当時の内田にはどうしても2014年夏のワールドカップのために治したいという思いがあり、そしてそれはうまくいった。ブラジルでは3試合に出場を果たしたのだ――だがその後、彼は傷んだ体でシャルケに戻って来たのだった。

以来、内田は右膝の膝蓋腱に悩まされることになる。これはワールドカップでのプレーを可能にすることでかかった負担の影響であると話題になった。シャルケは保存療法を施し、2014年末に彼はピッチに戻って数試合に出場した。しかし痛みが消えることは決してなかった。半年後、シャルケは内田をミュンヘンにいるドイツ代表チームドクター、ミュラー=ヴォールファールト医師のもとへ送り、ディレクターのホルスト・ヘルトはこう報告した。「彼もウシーに手術を絶対受けさせたくない我々と同意見だ」。しかし、内田は日本の医師たちの助言の方に従って――そこで手術を受けたのだった。

サシャ・リーターは残留か

それからの回復は遅々としている。2015年の秋から再びシャルケでトレーニングを行うようになったものの、走る以上のことをするのはほぼ不可能だった。もっとも、本人はその状況に愚痴をこぼそうとはしなかった。日本的な礼儀正しさがそれを許さなかったのだ。痛みの程度を把握するために、シャルケは1から10までの評価スケールを内田に渡し、負荷によって痛みがどれほど大きくなるのか伝えてもらうことにした。すると、“ウシー”はいつも“1”か“2”を指し示しては、足を引きずって練習場を歩いて行くのだった。冬により内容の濃いメニューに参加して初めて、彼はペインスケールの“10”の位置を指し示した――そしてその後、このままでは無理そうだということがわかった。内田は再び日本の執刀医のもとへ飛び、今現在もそこにいる。

これらの歴史を鑑みると、28歳の彼が再び負荷にしっかり耐えられるのはいつになるのか、シャルケのブライテンライター監督も疑問視せざるを得ない。新シーズンの構想を内田ありきで練ることは難しい。サシャ・リーターが新しい契約を得られるよう、ブライテンライターが尽力しているのはそのためだ。1年前、このベテランとジュニオール・カイサラを獲得したのも、内田の負傷が理由だった。ブライテンライターは再び右サイドバック2人で新シーズンに入りたいと考えており、リーターについてこう言っている――「サシャは自分の役割を十二分に果たしている。それだけに彼のことは私から強く推しておいた」。

Manfred Hendriock


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